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CHARADE / HOLLY COLE

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アマゾンで注文して、昨日届いたホリー・コールの新譜。さっき初めて聴いて、1曲目から唸りました。ドラムロールに続いて、五臓六腑に染み渡る重厚なホーンセクションのラージ・アンサンブル。まさに〈ザ・ハウス・イズ・ホーンテッド〉といった感じのオドロオドロしいイントロに導かれ、やおら頭をもたげるドス黒い歌声。これがもう「ホリー節」とでも言うしかない、熟しすぎたトマトみたいな、なんとも不健康な魅力を湛えた声なんですね。こんな細い体から、どうやったらこういう声が出てくるのか。とはいえ決して奇を衒ったり大声を張り上げたりするわけじゃなく、むしろ抑え気味ながら、それが余計に歌にコクと深みを与えている。いつにも増して凄みが効いたホリー節にやられます。黒々としたバリトン・サックスの粘着質なソロもハマりまくってる。この曲は自分にはケイ・スターの歌でおなじみ。ケイの歌い方もそれなりに粘ってて悪くないけど、ホリーのを聴いてしまうとケイはあっさりしすぎてて、この曲の面白さはまだまだこんなもんじゃないと気づいてしまいます。

A・カルロス・ジョビンの〈三月の水〉は、こんな歌い方があるとは思わなかった。軽やかで爽やかなイメージのこの曲も、ホリーにかかると一語一語が重々しく響きます。もともと深遠で格調高いジョビンの歌詞には、意外にこういうのも悪くない。始まってしばらく、何の曲だか分からなかったけど。

ホリー自身が「自己欺瞞」がテーマだと語るこのアルバム。確かに表題曲の〈シャレード〉なんてそんな感じだけど、できればこれもアップテンポではなくじっくりとスローに歌ってもらいたかった。惜しい。その点、〈シェルブールの雨傘〉や〈リーチング・フォー・ザ・ムーン〉は終始いい雰囲気で歌いきってます。

ホリーの書き下ろし曲〈ラージャー・ザン・ライフ〉も、なかなかの聴き物。「ギザのピラミッドもピサの斜塔もナイアガラの滝も見たけれど、私にゃあなたは人生より大きい」ってな内容で、「あなたはコロシアム、ルーブル美術館、ミッキーマウス、ピサの斜塔、七面鳥のご馳走、モナリザの微笑…」なんて歌う〈ユー・アー・ザ・トップ〉も彷彿とさせます。ただ、ホリーの曲はぐっと落ち着いた曲調。

全体にやるせなく重苦しい感傷漂うアルバムながら、聴いていて気分が沈んでくるかというとそんなことはない。むしろ心にガツンと活を入れられた思い。久々にコクのあるジャズ・ヴォーカル作品でした。

ヘビー度 ★★★★★
漆黒度  ★★★★☆
クール度 ★★★☆☆

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コメント

コメント(3)
No title
10年位前に、「コーリングユー」とかゆう歌をうたってた人ですよね?それくらいしか知らない。。。すんませんなぁ、気のきいたコメントできなくて。。。

tom

2007/03/15 08:57 URL 編集返信
No title
よくご存知でしたね。あれはいい曲です。主題歌になった映画『バグダッド・カフェ』もほのぼのとした名作。

Jinne Lou

2007/03/15 23:12 URL 編集返信
No title
ブルーノートでよく聴いています。
一時期より声が出なくなっています。

以前のようなパワフルな声を期待したいものです。
今回の録音はそこそこ良ですね

-

2007/10/10 10:18 URL 編集返信
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